原稿持ち込み・出版エージェント
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原稿持ち込みABC
これが、採用への第1歩だ!
 1.「文章力」は、ことの半分。「企画力」も重要
 2.原稿持ち込みは、この方法で
1.「文章力」は、ことの半分。「企画力」も重要

「自分の本を出版したい」「出版社に原稿持ち込みをしたい」と思っている人は多いだろう。そういった人の多くは、「やっぱり文章力をつけなくちゃ」と考えているかもしれない。

けれど、原稿持ち込みをして採用採用されるポイントは、文章力だけではない、という話をしたい。そのテーマをどのような切り口でとらえるかという観点、いわば「企画力」が決め手となることが多いのだ。

じつは私は以前、出版とは関係のない会社に勤務していた。
趣味で文章を書き、出版社に原稿持ち込みをしていたのだ。
当時採用されたものの中には、複数ページにわたるエッセイや紀行文などがある。

「しろうとの小説、エッセイ、紀行文は、まず採用されない」と一般には言われているようだが、採用の決め手となったのは、原稿の独自の観点だ。
自分の関心事を追求していったら、それまでにあまり例のないものになり、独自の観点なので採用された、ということが多い。

たとえば、「旧街道の古い町並みを歩き、歴史の香りに触れました」といった紀行文を考えてみよう(じっさいに個人のHPなどではよく見かける)。
そういった紀行文では、どんなに文章が優れていても、無名のアマチュアの原稿が商業誌で採用されることはむずかしい。いままでに書きつくされている一般的なテーマだからだ。表現や感性の部分で個々には違いがあるはずだが、「どこかで読んだ気がする」という印象は捨てきれない。

ところが、「広重が描いた『東海道五十三次』の場所を探し出し、実際の風景と浮世絵の共通点や相違点を考察する」といった企画なら、書き手が無名でも採用される。テーマが明確でユニークだからだ。

「海外には、こんな珍しいものがありました、こんな体験をしました」という旅行記や滞在記もよく見かける。けれど、それも商業出版で採用される可能性は低い。海外旅行じたいが珍しかった数十年前ならまだしも、多少のことなら報道されつくしている。たとえ珍しくても、一般の人の関心から離れすぎてしまうと、「だから何なの?」ということになりかねない。

ところが、「イギリスにはバースという Bath (風呂)の語源になった街がある。そこには古代ローマ時代の温泉の遺跡があり、いまも当時の湯船に温泉が満ちている。温泉好きは日本人だけではなかったのだ」という原稿なら採用になる。「珍しさ」に「日本人にとっての親しみやすさ」という要素が加わわることで、読者への「とっかかり」ができるからだ。

これらは、アマチュア時代に採用になった私の原稿の例である。
(バースは現在ではそれなりに有名になったが、私が執筆した当時は、まだあまり知られていなかったことも採用された一因かもしれない)

「採用の決め手は文章力だけではない」という極端な例をあげれば、原稿なしで採用になったこともある。

ある企画を思いつき、写真週刊誌『フライデー』編集部に電話し、趣旨を説明。関連する百科事典のページをコピーし資料としてファックスで送った。
すると、30分後に採用決定の電話があった。翌日朝一で取材するので、もっとくわしい情報を教えてくれ、と言うのだ。
これなどは、完全に「企画」が採用された例だ。

(この話には後日談があり、編集部が取材先に確認したところ、そこにあるはずのものが見つからなかった。取材先は探してみると言ってくれたものの結局見つからず、記事は掲載されなかった。今後も通用するテーマなので、そのうち発表したいと思っている)

こういった事例をあげると、次のように言う人もいるかもしれない。
「それは、いわゆる『企画もの』でしょ? 小説や、その他大半の原稿には当てはまらないのでは?」
そういった疑問に対しては、次のように答えたい。

小説・エッセイ・紀行文といった書き手の多いものこそ、テーマや企画といった基本部分がありふれていては埋没してしまい、採用されることはむずかしい。また、執筆者の個性や観点、文章そのものが「企画」に
相当することもある。それは、一般にいわれる「文章力」の範囲からは、はずれることが多い。

それなりにまとまっていて特に目立つ欠点もない。けれど、採用するには何かもの足りない。アマチュアの作品の多くは、テーマや発想がすでに見聞きしたような印象のものが多く、選ぶ立場の編集者の感覚にひっかかってこないことが多いものだ。

奇をてらって、とってつけたようなテーマを持ち出す必要はない。また、文章をないがしろにしていいという話でもない。
しかし、目にした人が気にとめたくなる、なんらかのアピールポイントがなければ、採用されるのはむずかしい。

自分の作品を一度、「文章力」だけではなく、「企画力」という観点からも見てみましょう、という話である。

2.原稿持ち込みは、この方法で

さて、優れた企画を考え、文章の推敲も重ね、すばらしい原稿ができあがったとしよう。
では、じっさいに、どうやって出版社に持ち込んだらいいのだろうか。
方法はいろいろあるが、私がもっとも多くとってきた原稿持ち込みの方法を紹介しておこう。

1:その原稿に一番ぴったりマッチすると思う出版社の本(単行本 or 雑誌)を用意する。

2:奥付を見て、編集部に電話する。

3:「わたくし、○○と申します。じつは、△△社さんの本(単行本 or 雑誌)に合う企画があり、企画書と原稿ができあがっています。宅配便(郵便)で送りますので、目を通していただけますか?」

OKということであれば、相手の名前、もしくは、原稿の送り先の「個人名」を聞く。漠然と「△△社」を相手にしていると、その後のやりとりがあいまいになってしまうことがあるからだ。

このとき、「ところで、御社の住所はどこですか?」などと間抜けなことを聞いてはならない。原稿持ち込みをしようとする者が、相手の住所を事前に調べておくのは常識である。
手順の1が、「その原稿に一番ぴったりマッチすると思う出版社の本を用意する」となっている理由のひとつは、そのためだ。

4:原稿を発送する(当然、元払い!)。名前が聞けたなら、宛名に個人名まで書く。「○○部宛」で送れ、と言われたら、そのように書く。

5:原稿が届いた頃を見はからって、再び電話をする。

6:「先日、電話をさしあげ、原稿を送った○○です。原稿は届いたでしょうか?」
届いているというのなら、

7:「読んでいただけたでしょうか?」あるいは「確認に、どれくらいかかるでしょうか?」

すでに原稿が届き、目を通し、「これはいける!」と思えば、編集者はその場で「採用の方向で検討させてください」と明言するはずだ。採用したければ、反応を示すものである。

もし、「しばらく時間をください」と言われたなら、その言葉は、次の二通りに解釈できる。
(1) 業務の都合などで、本当に検討に「しばらく」かかる。
(2) すでに原稿に目を通し、「ダメだ、こりゃ」と思っているものの、電話口で直接「ボツ」を宣告するのが気がひけて、結論を先のばしして「時間をください」と言っている。

そして、いったん電話を切ると、99%出版社から連絡が来ることはない。仮に連絡があるとすれば、採用のときだけである。
つまり、「たよりがないのは『ボツ』の証拠」なのだ。ボツだと納得すれば、そのまま放っておけばいい。

そうは言っても、連絡のないまま「ボツ、かな……?」と不安な状態で放置しておくのもすっきりしないというのなら、2週間以内くらいにもう一度電話を入れ、どうなったかを確認すればいい。気が重いかもしれないが、はっきりさせたければ問い合わせるしかない。

このようにして原稿を持ち込み、実際に採用される可能性がどれくらいあるとみなさんは思われるだろうか。単行本と雑誌、ジャンルなどによって違いがあるが、一言で言えば、確率は「1%未満」と見ておくべきだ。

この 1%未満という数字は、100回持ち込めば1回は採用になるということではない。0.1%も1%未満、0.01%も1%未満である。もちろん、0.001%だって1%未満だ。けれど、ゼロではない、と言っておこう。

採用の確率をはっきり言えないのには、理由がある。
かなりのバラツキがあるためだ。

一度採用になると、採用の神様が味方になってくれる。腕が上がりカンどころがつかめた、ということだが、打率が3割、5割……と上がり出す。「これはいけそうだ」といった感覚がわかるようになってくる。
さらに言えば、 人によっては、最初の持ち込みで採用になることもある。

ところが、採用にならないうちは、ボツが延々と続く。
このように個々にはかなり確率が違うのだか、トータルすれば「1%未満」なのだ。
原稿の持ち込みとは、そういうものである。
(アドバイスになっていませんかね?)

編集者は、99%の原稿はボツだと思っている。しかし、いま封筒を開けようとしているこの原稿こそが、その1%未満の、数少ない採用原稿であるかもしれないと心の片隅で思いながら封を切るのだ。そして、たいていは、毎度のように期待を裏切られるのだが……。
          *           *           *
出版をめざしている方は、上記の方法で出版社に原稿を持ち込めば、タダで見てもらえます。
(じっさいには、手順3の電話をした段階で、「うちでは、持ち込みは一切受け付けていません!」と断られることが多いようです。しかし、それをくぐり抜ける方法があります)

たとえ受け付けてくれても、いくら待てども返事をくれなかったり(それが一般的)、どう直せばいいかといった「指導」まではしてくれないのが普通ですが、実際に持ち込んでみるという経験は貴重です。出版社から本を出すということの意味を、実感できます。

当サイト「本が出したい!相談室」では、出版をめざす方のための原稿診断を受け付けています。原稿を拝見し、採用になる可能性がどの程度あるかを診断します。また、どうすれば可能性を上げることができるかを提案します。

さらに、商業出版実現の可能性が高いと判断した原稿については、出版社へ持ち込み、出版化の交渉を行います。持ち込み方法は、先に書いた方法とは、ちょっと違います。編集者に確実に読んでもらい、なるべく早く返事がもらえる独自の方法をとっています。

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